漢詩と中国文化 |
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重題:白楽天を読む |
白楽天の七言律詩「重ねて題す」(壺齋散人注) 日高睡足猶慵起 日高く睡り足りて猶起くるに慵し、 小閣重衾不怕寒 小閣衾を重ねて寒を怕れず。 遺愛寺鐘欹枕聽 遺愛寺の鐘は枕を欹て聽き、 香爐峰雪撥簾看 香爐峰の雪は簾を撥げて看る。 匡廬便是逃名地 匡廬は便ち是れ名を逃るるの地、 司馬仍為送老官 司馬は仍ほ老を送るの官為たり。 心泰身寧是歸處 心泰く身寧きは是れ歸する處、 故鄉何獨在長安 故鄉何ぞ獨り長安に在るのみならんや 陽が高く上り眠りは十分だがなお起きるのが物憂い、小さな部屋に褥を重ねて寒さをものともしない、遺愛寺の鐘が鳴ると枕をそばだてて聞き、香爐峰の雪はすだれを掲げて見る(小閣:小さな部屋) 匡廬は世間から逃れ住むに適した地で、司馬は老人には相応しい官職だ、心が安らかで身が健康ならばそれ以上言うことはない、故郷は長安だけとは限らないではないか(匡廬:廬山のこと、逃名:世間から逃れる、送老:老後を送る) 香爐峰の麓に草堂を設けた際に歌った詩の続編で、四首からなる。これはその第三首。日本でも、平安時代から好んで暗誦されてきた。 |
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作者:壺齋散人(引地博信) All Rights Reserved (C) 2009-2014 このサイトは、作者のブログ「壺齋閑話」の一部を編集したものである |