漢詩と中国文化
HOMEブログ本館東京を描く水彩画陶淵明英文学仏文学西洋哲学 | 万葉集プロフィールBSS

詠懐詩其四:阮籍



阮籍の詠懐詩其四を読む。(壺齋散人注)

  天馬出西北  天馬は西北より出づるも
  由来従東道  由来 東道に従う
  春秋非有託  春秋 託する有るに非ず
  富貴焉常保  富貴も焉ぞ常に保たん
  清露被皐蘭  清露は皐の蘭を被ひ
  凝霜霑野草  凝霜は野草を霑す
  朝為媚少年  朝には媚少年たれども
  夕暮成醜老  夕暮には醜老と成る
  自非王子晉  王子晉に非ざる自りは
  誰能常美好  誰か能く常に美好なるべき

天馬は西北の産であるが、東道に従って漢にやってくる定めだ、歳月はとどまることなく、富貴も長続きはしない、春の露は丘の蘭を潤すが、秋の霜は凍り付いて草を枯らす

朝には美少年だったものも、夕暮れには醜い老人となる、仙人王子晉でない限りは、美しいままでい続けられるものは誰もいない


歳月が移り変わってとどまることがないように、人の一生もはかなく過ぎることを歌ったもの






前へHOME魏晋の詩次へ






作者:壺齋散人(引地博信) All Rights Reserved (C) 2007-2008
このサイトは、作者のブログ「壺齋閑話」の一部を編集したものである