漢詩と中国文化 |
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詠懐詩其四:阮籍 |
阮籍の詠懐詩其四を読む。(壺齋散人注) 天馬出西北 天馬は西北より出づるも 由来従東道 由来 東道に従う 春秋非有託 春秋 託する有るに非ず 富貴焉常保 富貴も焉ぞ常に保たん 清露被皐蘭 清露は皐の蘭を被ひ 凝霜霑野草 凝霜は野草を霑す 朝為媚少年 朝には媚少年たれども 夕暮成醜老 夕暮には醜老と成る 自非王子晉 王子晉に非ざる自りは 誰能常美好 誰か能く常に美好なるべき 天馬は西北の産であるが、東道に従って漢にやってくる定めだ、歳月はとどまることなく、富貴も長続きはしない、春の露は丘の蘭を潤すが、秋の霜は凍り付いて草を枯らす 朝には美少年だったものも、夕暮れには醜い老人となる、仙人王子晉でない限りは、美しいままでい続けられるものは誰もいない 歳月が移り変わってとどまることがないように、人の一生もはかなく過ぎることを歌ったもの |
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