漢詩と中国文化 |
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詠懐其二:杜甫を読む |
杜甫の七言律詩「詠懐其二」(壺齋散人注) 搖落深知宋玉悲 搖落深く知る宋玉の悲しみ 風流儒雅亦吾師 風流儒雅亦吾が師なり 悵望千秋一灑涙 千秋を悵望して一に涙を灑ぎ 蕭條異代不同時 蕭條異代時を同じくせず 江山故宅空文藻 江山の故宅空しく文藻 雲雨荒台豈夢思 雲雨荒台豈に夢思せんや 最是楚宮倶泯滅 最も是れ楚宮倶に泯滅せり 舟人指點到今疑 舟人指點して今に到りて疑ふ 搖落してかの宋玉の悲しみがよく分った、その風流儒雅ぶりはわが師とすべきものだ、彼我千年の時代の隔たりを思って涙をそそぎ、時代を同じくできなかったことを悲しむのだ 宋玉の住んでいた江山の故宅も虚しくなり文名だけが残った、雲雨荒台のさまを夢想だにできただろうか、もっとも滅びたのは宋玉だけではない、楚王の宮殿も今はなくなって、船人もその所在がわからぬほどだ 宋玉は秋を悲しんだ人物として特別の地位を占める、その宋玉の悲しみにかりて、己の悲しみを述べた |
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作者:壺齋散人(引地博信) All Rights Reserved (C) 2009-2011 このサイトは、作者のブログ「壺齋閑話」の一部を編集したものである |