漢詩と中国文化 |
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東坡八首其一:蘇軾の詩を読む |
蘇軾の詩から「東坡八首其一」 廢壘無人顧 廢壘人の顧る無く 頽垣滿蓬蒿 頽垣蓬蒿滿つ 誰能捐筋力 誰か能く筋力を捐てん 歳晩不償勞 歳晩勞を償はず 獨有孤旅人 獨り孤旅の人有り 天窮無所逃 天窮せしめて逃るる所無し 端來拾瓦礫 端(まさ)に來りて瓦礫を拾ふ 歳旱土不膏 歳旱して土膏ならず 崎嶇草棘中 崎嶇たり草棘の中 欲刮一寸毛 一寸の毛を刮らんと欲す 喟焉釋耒嘆 喟焉として耒を釋てて嘆く 我廩何時高 我が廩何れの時にか高からん くずれた石垣など誰もかえり見ることなく、土塀には蓬が生えているありさま、こんなところを誰が耕すというのだ、どんなにがんばったところで収穫は望めないのだ ここに一人の孤独な老人がいる、貧窮して逃れるところもない、仕方なくこの痩せた土地を耕すしか道はない、だが旱続きで土地は痩せたままなのだ 伸び放題の草に埋もれて、狭い土地を耕そうとする、そのうちがっかりしてスキをすてて嘆くのだ、一体自分の米倉はいつになったらいっぱいになるのかと |
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作者:壺齋散人(引地博信) All Rights Reserved (C) 2009-2011 このサイトは、作者のブログ「壺齋閑話」の一部を編集したものである |