上野図書館(国立子ども図書館)所在地: 台東区上野公園内建築年: 明治39年(1908) 設 計: 久留正道、真水英夫 構 造: 鉄筋鉄骨補強煉瓦造 地上3階地下1階 特 徴: ルネサンス様式を取り入れた 重厚な外観。2002年の改修で ガラス製のボックス型エントラン すが付け加えられた |
上野図書館は、帝国図書館として明治39年に作られました。近代国家としての面子がかかった事業でしたが、日露戦争直後の折からの財政難のため、基本計画の4分の1が完成したのみでした。 昭和4年(1929)に、耐震のための改修工事が施され、その際に現在の左翼部分にあたるものが増築されました。 昭和24年、国立国会図書館が発足すると、その支部に位置づけられ、蔵書は本館に引き継がれます。平成14年(2002)には、国際子ども図書館として生まれ変わりました。 |
この建物を虚心に眺めると、壁面の装飾性に圧倒される一方 何となくシンメトリーから逸脱しているような感を受けます エントランスが一方に偏っているし、左右のバランスがちぐはぐだという感じがするのです これは、そもそもあった基本計画のうち、その4分の1にあたる部分を切り取って 強引に作ってしまったという事情から来るものと思われます その基本計画なるものによれば、 現在見られるファサードは、建物全体の側面だったということです 2002年の改修にあたり、設計を担当した安藤忠雄は 歴史的建造物としてのこの建物の原型を最大限尊重したといいます エントランスには新たにガラス製のボックスを付け加えましたが これが建物本体と調和しているかどうかについては 意見が別れるところでしょう |