法務省旧本館



法務省旧本館

所在地: 千代田区霞ヶ関1
建築年: 明治28年(1895)
設  計:  ヘルマン・エンデ
       ヴィルヘルム・ベックマン
施  工: 臨時建築局
構  造: 煉瓦造3階建
特  徴: ドイツ人技師によるドイツ風ネオ・バロック様式の建築物





明治維新政府は、近代的な官庁街の体裁を整えようとして、明治19年、ドイツ人技師ベックマンを招きます。彼の立てた計画は、霞ヶ関と築地本願寺を結ぶ大通りを軸に、それと交叉する道路に沿って諸官庁を配置しようとするもので、壮大な規模のものでした。

この計画は財政難等から実現しませんでしたが、計画の一部をなしていた司法省や大審院の建物の設計を、ベックマンとその僚友エンデに依頼することとなりました。

こうして完成したのが旧司法省の建物です。それまでの官庁が既存の日本建築に入居していた時代にあって、始めて出現した洋風の建築物でした。エンデらはネオ・バロックの威風堂々たる外観を演出し、ドイツ本国にも見られないすぐれた意匠に仕上げました。


この建物は、司法省本館と司法大臣官舎をかねていたため、
正面がふたつあるような配置になっています。
技術的には耐震性にすぐれ、関東大震災にも耐え抜きましたが
先の戦災で、躯体部分を残し殆んど消失しました
このため昭和26年、屋根を天然スレートから瓦に葺き替えるなどの
改修がほどこされました

平成6年、竣工当時の姿に戻す大改修が完成して今日に至っています
現在 館内には司法資料室があり 一般公開されています







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