国立西洋美術館所在地: 台東区上野公園内建築年: 昭和34年(1959) 設 計: ル・コルビュジェ 施 工: 清水建設 構 造: 鉄筋コンクリート造 地上2階地下1階 特 徴: 現代建築の巨匠ル・コルビュジェ の日本における唯一の作品 キュビズム的な立体感が特徴 |
国立西洋美術館は,松方コレクションがフランス政府から返還されるのを受けて、その受け皿として作られた施設です。 松方コレクションとは、川崎造船社長であった松方幸次郎が第1次大戦後のヨーロッパに渡って収集した美術品のコレクションで、その数は400点以上に上ります。主として同時代人の作品を集めており、ロダンの彫刻が特に有名ですが、モネやルノアールなど、印象派絵画の逸品も多く含まれています。 松方はこれらの作品をフランスに残して帰国しましたが、戦後返還されることとなったものです。 |
|
日本政府から設計を依頼されたル・コルビュジェは多いに張り切り、壮大な建築プランを提出しました それは、彼独自の設計思想の具現を図ろうとするものであり 上野公園全体を包み込もうとするほど スケールの大きいものだったといわれています しかし、単に美術品の保管展示だけが目的だった日本政府は ル・コルビュジェの案の大部分を切り捨て、ギャラリースペースだけを取り出して 採用しました それが今日見る美術館本館です 1979年には、ル・コルビュジェの弟子前川国男による新館が本館の裏側に増築されました 前川はル・コルビュジェの当初案にもかかわっており 増築にあたっては、その精神を少しでも復活させようと努めています |