築地本願寺



築地本願寺

所在地: 中央区築地3-15
建築年: 昭和9年(1934)
設  計: 伊東忠太
施  工: 松井組
構  造: 鉄骨鉄筋コンクリート造2階建
特  徴: インド仏教寺院風の外観を取
     り入れた建築物。中央の伽藍と
     左右の小塔からなる。内部は日
     本の伝統様式を採用している。



築地本願寺は浄土真宗本願寺派の関東別院です。当所(1617)は浅草近くに創建されましたが、明暦の大火以後現在地に移転しました。その際はまだ海だった土地を、佃島の門徒衆が埋め立てて寺を造ったといわれています。築地御坊と呼ばれたこの寺は、現在の築地市場の方角に面して立っていましたが、関東大震災で消失してしまいました。

現在の建物は、東大建築科教授伊東忠太の設計によるものです。日本の仏教寺院としては、特異な印象を与える建物です。

石段の上部に聳える伽藍を中心に、間口870メートルに及ぶ長大なファサードは、人々に荘厳な宗教的感情を起こさせずにはおりません。


設計者伊東忠太は、日本の近代建築の第2世代に属する人ですが、
時流に流されず、自主独立を貫いた人として知られています。
西洋建築万能の時代にあって、中国やインドの建築に深い関心を抱き、
その伝統を日本の近代建築に生かそうとつとめました

一風変わった人物だったらしく、インド留学中にはロバにまたがって各地の仏教寺院を訪ね歩き
その一つひとつをスケッチしたという逸話が残っています
本願寺は、そんな伊東の代表作となった作品ですが、
彼は、ほかに、両国の慰霊どうも設計しています。








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