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  英国大使館(26×36cm ヴェランアルシュ 2005年1月)

英国大使館は、半蔵門のすぐそば、濠を隔てて皇居と向き合うように立っている。都内の一等地にあって、しかも広大な敷地を配したこの施設は、数ある大使館の中でも破格のものである。明治から昭和初期にかけての親密な日英関係を物語っているのかもしれない。

幕末西欧列強との間に不平等条約の締結を強いられた日本は、日清戦争を契機に強国の一員として認められるようになり、1902(明治35)年には、英国との間に同盟関係を持つに至った。かくて日英同盟はその後の日本の外交政策の基本となり、国際社会での地位の向上に結びついていったことは歴史の常識である。その後日本の指導者は米英と対立する道を選び、不幸にして国の進路を誤って、この国を焦土に導いたのである。

戦後日本に進駐した米軍は、東京の抜本的な改造を計画する中で、米国大使館の前に幅員100メートルの大通りを作ろうとしたことがあった。世にマッカーサー道路計画と呼ばれるものである。英国大使館の向こうを張って東京一の偉容を誇ろうとしたのかもしれない。






英国大使館