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  谷津バラ園(F4号 ウォーターフォード 2003年5月)

幼かった頃両親に連れられ家族揃って谷津の浜に海水浴に来たことがある。遠い過去のこととて確かな記憶はないのだが、遠浅の海が広がり、人々が質素な水着で穏やかな波に乗っている光景が思い浮かぶ。

その後、子を持つようになってから、子を遊ばせるために訪れたことがある。昭和五十年代の後半のことだったろう。その頃には既に海岸の埋立が進み、昔のような遠浅の浜はなくなっていた。昭和五十八年にディズニーランドが開園すると、それに資本参加していた京成電鉄は客の奪い合いを懸念して谷津遊園を廃止してしまった。それでも中にあったバラ園だけは存続させた。京成はバラの栽培に熱心だったのであろう。

園の内部はそう広くはないが、さまざまな工夫がなされていて、人々は多様なバラを眺めながら散策を楽しむことができる。工夫のひとつに園内至る所に据えられている白い塑像がある。この絵にある乙女の像など、一緒に並べるとバラの花のあでやかさを引き立てるではないか。わたくしは遊び気分のあまり、あひるや女の子も描き加えたのだった。