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  中山法華経寺(24×32cm ヴェランアルシュ 2002年11月)

中山法華経寺は日蓮在世中最も早い時期に立てられた寺で、いわゆる中山門流の総本山として多くの寺を支配している。わたくしの両親の墓がある佐倉の妙隆寺もその末寺に連なっているという。寺の鐘はわたくしの住む塚田あたりまで聞こえてきて、毎年の除夜の音は時の移り世の変わりをしみじみと感じさせてくれるのである。

周知の通り日蓮は闘争を好む性格から生涯に何度も法難にあった。文応元年(一二六〇)には、立正安国論を北条執権に提出した直後鎌倉松葉が谷の草庵が焼き払われるという難にあった。この時日蓮は弟子の富木常忍に保護されて中山若宮に逃れ、この地に釈迦牟尼仏を安置した法華堂をたてた。日蓮宗最初の寺院であるとされる。これが核になって現在みられる法華経寺へと発展したのである。

この絵は、見事に色づいた公孫樹を配して、五重塔とその手前の祖師堂を描いたもの。寺は幕末戊辰戦争の舞台ともなったが幸い焼かれずにすみ、塔や堂は古き時代のままのたたずまいである。