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  旧横浜正金銀行 (F4号 ウォーターフォード 2003年)

横浜三塔とは別にもうひとつ、立派な塔を冠した建物が、馬車道通りに面して立っている。旧横浜正金銀行本店、現在は県立歴史博物館になっている建物である。この威風堂々とした建物は、アメリカ帰りの建築家妻木頼廣の設計によるものだが、なぜか、ドイツルネッサンス様式を取り入れ、コリント式の列柱を配した、重厚な石造りの建物となっている。

関東大震災の折、横浜は甚大な災害を被り、この建物も塔を破損する被害を受けた。しかし、昭和四十年代初期に復元され、洋館としては始めて、国の重要史跡に指定されたということである。この建物の前を通る馬車道は、その名のとおり、かつては馬車の行き交う大通りとして、明治の初めに整備されて以来、横浜開港場のメインストリートであった。

この日、馬車道界隈では、開港百五十周年記念事業と銘打ってパレードが繰り広げられ、大勢の見物人が集まってきていた。絵の中に見える旗竿はそんなお祭りの気分を表したものである。パレードは山下公園の方向から赤レンガ倉庫の前を通って、鳴り物入りで賑やかにやってきた。