大英博物館
British Museum….Founded in 1753.

大英博物館の名称からわたくしがまず連想したのはカール・マルクスのあの白い鬚であった。マルクスは晩年エンゲルスの援助を得てロンドンに定住し、毎日大英博物館に足を運んで資本論三巻を執筆したのである。

かくいうわたくしは、学生時代大学の図書館にこもって資本論に読みふけったのであるが、傍らに置いたヘーゲルの論理学を参照しながら、両者の歴史観に通底するユダヤ・キリスト教的な予定調和思想にいたく関心をそそられたのであった。

そんな訳で、博物館本体よりは付属の図書館のほうに興味が赴き、まずそこを訪ねてみた。ごらんのようにドーム状の円形の空間の中に膨大な量の書物が壁に据えられた書架に並んでいる。誰でもその書架の一隅から自分の目的とする本を取り出すことができるのだ。

とはいえ、博物館の本体に陳列されている美術品も言語を絶してすばらしいものだった。一時代の巨大帝国が、力を背景に世界中から集めたものだ。
 






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