船橋駅前(25×34cm ヴェランアルシュ 2006年6月)

JR船橋駅南口に再開発が施され、高層ビルがたったのは2003年3月のこと、おかげで船橋駅周辺の景観は一新した。

船橋はJRと京成線に挟まれた一角がもっとも繁華なところで、町の顔ともいえる部分なのだが、なかなか再開発が進まず、前時代的な雑然としたたたずまいが長い間続いていた。これに加えて京成線の線路が地上を走っているため、踏み切りによって交通が遮断され、混雑の激しさは相当のものであった。この雑然たる雰囲気の下、路上には魚介を売る女性たちが箱を広げ、道行く人々を相手に商売をする光景も見られ、およそ近代都市とはいえぬ様相を呈していたものであった。 

絵は、再開発工事が始まった頃にものした鉛筆の素描に、最近水彩絵の具で彩色したものである。町の姿がすっかり変わってしまったのを見て、むかしの様子を絵に残しておきたいと思ったのである。もののついでに、かつてよく見られた魚介売りの女性を加えてみた。

周辺の再開発はいまだ進行中で、すべてが完成するまでには、あと10年以上はかかるだろう。気の遠くなるような遠大な営みである。






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