漢詩と中国文化 |
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青青たる河畔の草(古詩十九首其二) |
青青河畔草 青青たる河畔の草 鬱鬱園中柳 鬱鬱たる園中の柳 盈盈樓上女 盈盈たる樓上の女 皎皎當窗庸 皎皎として窗庸に當たる 娥娥紅粉妝 娥娥たる紅粉の妝 纖纖出素手 纖纖として素手を出だす 昔為娼家女 昔は娼家の女たり 今為蕩子婦 今は蕩子の婦と為る 蕩子行不歸 蕩子 行きて歸らず 空床難獨守 空床 獨り守り難し 河畔の草は青々とし、園中の柳は鬱蒼としている、みずみずしい女が楼閣の上にあって、色白の姿を窓辺に寄せている、(鬱鬱は鬱蒼と茂るさま、盈盈はみずみずしいさま、皎皎は色が白く美しいさま、娥娥はあでやかで美しいさま、) 美しく化粧した装いで、か細くも白い手だ、昔は娼家の女であったが、今では蕩子の妻となっている、その蕩子が行方も知らずになって、女は一人寝が耐え難いという、(蕩子は道楽者の男) 昔は娼家の女であったものが、今では蕩子の婦となり、しかも捨てられて寂しさに耐えない、そんな女心を歌ったものである。 一句目の「青青河畔草」から六句目の「纖纖出素手」まで、畳み掛けるように重ねていく手法は、技巧に勝ったものといえようか。 |
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作者:壺齋散人(引地博信) All Rights Reserved (C) 2007-2008 このサイトは、作者のブログ「壺齋閑話」の一部を編集したものである |