漢詩と中国文化
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掲裳:色男を挑発する(詩経国風:鄭風)



  子惠思我    子 惠にして我を思はば
  掲裳渉秦    裳を掲(かか)げて秦を渉らん
  子不我思    子 我を思はずんば
  豈無他人    豈に他人無からんや
  狂童之狂也且 狂童の狂や

  子惠思我    子 惠にして我を思はば
  掲裳渉有    裳を掲げて有を渉らん
  子不我思    子 我を思はずんば
  豈無他人    豈に他人無からんや
  狂童之狂也且 狂童の狂や

あなたがわたしを思ってくれるならば、もすそをからげて秦水を渉りあなたについていきましょう、わたしのことを思ってくれないなら、他にいい人がいないわけではありませんよ、色男のこんこんちきさん

あなたがわたしを思ってくれるならば、もすそをからげて有水を渉りあなたについていきましょう、わたしのことを思ってくれないなら、他にいい人がいないわけではありませんよ、色男のこんこんちきさん


女が浮気心の強い色男に迫っている歌である。愛してくれるならどこまでもついていくけれど、荘でなければ他の男になびいてしまうからと、さかんに男を挑発している。

秦も有も河の名、狂童とは智恵の浅い浮気な男の意、自分になびかないのは智恵が浅いからだといいたいのだろう






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