パリ紀行
HOMEブログ本館続壺齋閑話フランス文学英文学日本文化ロシア情勢|プロフィールBBS



余少年の頃よりフランス語を独学し、象徴派の詩人たちを日本語に翻訳しては自得しかつ喜びゐたれど、いまだかつてフランスに旅行せしことなし。わづかに柳北先生の航西日乗を読みなどして空想裏にかの地に遊ぶばかりなりき。今やうやく還暦を過ぎて、生活の閑暇と金銭の余裕を得るに及び、宿願の思ひをかなへんとは思ふなり。

かくて、たとへ一人でなりとも、今年の秋にフランスに旅せんと計画を立てしは、この春のことなりき。しかるに夏に受けたる健康診断の結果、大腸がんの恐れを指摘され、精神沈滞すること著し。一時はとても旅どころではなくなりしが、重ねて精密健診を受けたる結果は良性のポリープとかにて、さう深刻になる必要もなしとのこと、命の伸びたる心地して一安堵せり。

余は大事を取ってフランス旅行の計画を取りやめ、ポリープの摘出手術を受けんかとも思ひたれど、医師がいふには、折角の計画なれば是非実現されよ、手術は年があけてからにても十分間に合ふなりと。余、医師の言葉を甘受して、フランス旅行の計画を決行することとはなしたるなり。幸ひ日頃親しき旅仲間たる横子の同道を得たり、二人手を携へてならば、如何ばかり心強からむ。さては旅の様子を拙文にしたため諸兄に示さんと欲す。名づけてパリ紀行となす。



パリ紀行:その一
エッフェル塔からパリの街を俯瞰す:パリ紀行その二
セーヌ川よりの眺め:パリ紀行その三
シテ島散策:パリ紀行その四
ルーブル美術館:パリ紀行その五
シャンゼリゼー、凱旋門:パリ紀行その五の二
パサージュを歩む:パリ紀行その六
オルセー美術館:パリ紀行その七
カルチェ・ラタン散策:パリ紀行その八
マドレーヌ、フォブール・サン・トノレ、ヴァンドーム:パリ紀行その九
リドのショーを見る:パリ紀行その十
シャルトルの大伽藍:パリ紀行その十一
ヴェルサイユ宮殿:パリ紀行その十二
バスティーユにてオペラを見る:パリ紀行その十三
ブローニュの森を歩く:パリ紀行その十四
モンマルトル:パリ紀行その十五
ラパン・アジールにてシャンソンを歌ふ:パリ紀行その十六
フラゴナール香水博物館:パリ紀行その十七
フランクフルト空港:パリ紀行その十八
ベルシー・ヴィラージュ Bercy Village:パリ紀行その十九



HOME次へ









作者:壺齋散人(引地博信) All Rights Reserved (C) 2011
このサイトは、作者のブログ「壺齋閑話」の一部を編集したものである