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ハイデガーを読む |
マルティン・ハイデガーは20世紀最大の知的インパクトを持った思想家である。偉大な思想家がそうであるように、ハイデガーもまた、非常に評価の別れる人である。だが、彼を評価する者も批判する者も、その思想のインパクトの大きさを認める点では共通している。 ハイデガーは、サルトルらの実存主義に決定的な影響を及ぼしたほか、構造主義にも、またポスト構造主義にも大きな影響を及ぼし続けた。ある意味、二十世紀の哲学は、ハイデガーへの注釈のような観を呈しているともいえる。ハイデガーのどこに、そうした牽引力があるのか。ここでは、そのことを追求したい。 |
その場合、ハイデガーを読み解くカギになるのはやはり「存在と時間」だ。この書物は未完成に終わったという見方もあり、事実そうなのだが、ハイデガーの思想のエッセンスが盛り込まれている。したがってこの書物を丁寧に読むことで、ハイデガーの思想の特徴を十分に把握することができる。 ハイデガーの思想の中核は、存在とは何か、という問いに答えることである。この問いへの答え方が、「存在と時間」におけるものと、後期の著作におけるのとでは、かなり角度が違っているという見方もあるが、筆者はそこに連続性を見る立場をとっている。ここではそういう立場に立って、ハイデガーの思想の核心に迫っていきたい。 |
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