銀座和光・服部時計台



銀座和光・服部時計台

所在地: 中央区銀座4
建築年: 昭和7年(1932)
設  計: 渡辺仁
施  工: 清水組
構  造: 鉄骨鉄筋コンクリート造地上
      7階地下2階
特  徴: アメリカンルネサンスの様式を
      取り入れた商業ビル





銀座4丁目交差点の一角に立つ和光の建物は、昭和初頭から今日に至るまで、銀座のシンボルとして、銀座通りのイメージを象徴してきました。

現在では高級百貨店となっていますが、もともと服部時計店の社屋として建てられたものです。長らく服部の時計塔として親しまれ、銀座を舞台とした映画には必ず背景として映されています。戦後の荒廃した銀座通りにあっても、この建物はけなげに立ち続け、人々に勇気をあたえたものです。

服部時計店が銀座に進出したのは明治28年、初代の建物も時計塔を乗せていました。現在の時計塔は東西南北の4面すべてに文字盤を配しています。


渡辺仁は、東京国立博物館本館第一生命館などを設計しています
それらとこの和光のビルを重ねあわせて見ると 様式はそれぞれ別様です
このことは 彼が特定の様式にこだわらず 様々な意匠を取り入れた
器用な建築家だったことを物語っているようです
このビルは 依頼主たる服部金太郎の注文を取り入れて
アメリカンルネサンス風に纏め上げています

欧米の都市は広場を中心にして それを囲むように建物が配置されています
日本の都市はそのような広場をもたないかわり 交差点を軸にして
人々の流れが展開していました そのことを踏まえ 建物も交差点の特性を
意識して作られるようになります 新宿の伊勢丹や この和光ビルは
交差点の対角線上に立つ人の視線に訴えかけるように作られています 
 







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