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       二重橋(34×25cm ヴェランアルシュ 2005年1月)

もっぱら見られるためにある橋というのも不思議な存在だ。皇居の正面にかかる二重橋は、普段は記念写真の背景として国民の前に現れ、人を通すのは新年と暮れの2回、一般参賀の折に少数の人々が許されて通過するときくらいである。

橋は二つかかっており、手前の方を正門石橋、奥の方を正門鉄橋と称する。二つあるから二重橋というかといえば、真相はそうではないという。奥の橋をかける際、構造上強度を持たせるために、下部に頑丈な台座を作りそのうえに橋本体を乗せたところに由来する。現在の橋は昭和半ばに架け替えられたもので、無論そんな細工は施されていない。

二重橋をバックに記念写真を撮ったことのある人は多いだろう。今でも橋の前の広場には写真屋が店を広げて、観光客を捕まえては記念写真を売っている。石垣から伸びた橋のシルエットが美しく、日本人としてこの橋のイメージが思い浮かばない者は少ないに違いない。そこをあえて絵にあるような構図に挑戦してみた。愛される二重橋のイメージである。