月島の古家(25×34cm ヴェランアルシュ 2005年2月)

月島は明治の20年代に完成した埋立地である。徳川時代からあった佃島の州を核にして、それに接する浅瀬を埋め立てたものだ。西側から、佃島、月島、勝どきと三つの島からなるが、普通はこれらを総称して月島と呼ばれている。

かつて月島のイメージといえば、佃島をさておけば、倉庫が林立する物流のための基地といったものだった。わたくしのような釣り好きは、舟で品川沖に出る際、この島の倉庫の合間で待ち受ける餌屋から餌を受け取って沖のほうへと向っていたものだ。だがこの島も時代の移り変わりに乗じて、都心に近接する地の利を生かしたマンションが林立する町として生まれ変わりつつある。

島は今や高層の建物だらけで、こんな埋立地に無事に立っていられる保証があるのかと、下種の勘繰りをしてしまうのだが、そこは技術というものに支えられているのだろう。島を歩くと、古い時代の建物が滅多に見られなくなった中で、こんな一角も残っていて、絵心をそそられるのである。






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