丸の内仲通り1(25×34cm ヴェランアルシュ 2004年12月)
丸の内一帯は日本のビジネスの中枢と称すべきところで、日本の産業を代表する大企業の本社ビルが集中している。わけても、東京駅と皇居前広場に挟まれるように南北に走る
丸の内仲通りは、三菱系の企業を中心に厳然たる相貌のビルが整然と立ち並び、いかにも日本資本主義の威光を象徴し続けてきたものである。
ところが先日、この通りを久しぶりに歩いてみて、変化の激しさに驚かされた。通り沿いに並ぶビルの一階部分には洒落た雰囲気のブティックが連なり、オフィス街というよりは、ショッピングストリートを歩いているような気分になったからである。
往時この通りはビジネスタイムを外れた夜間や休日には、人の気配のないただのビルの森に過ぎなかったのだが、今や銀座並みに、一年を通じて人が集まるショッピングサイトに進化したようだ。以前は沿道のビルに入るためには厳重なチェックを求められたが、今では誰でも気軽にビルの中の店に入ることができる。時代の流れを感じた次第であった。