銀座通り(25×34cm ヴェランアルシュ 2004年10月)
東京に数多い繁華街の中でも
銀座は特別な存在だ。何しろ日本中に星の数程ある何々銀座なる名称の目抜き通りは、みなここの繁盛ぶりにあやかりたくてその名を冠しているのだから。東京の街々にはそれぞれにライフサイクルというべきものがあって、時代の移り行くに従い繁栄から衰退への過程をたどるのが常であるが、ここ銀座ばかりはいつの時代にあっても東京の中心商業地たる地位を失うことがなかったのである。
商業地の格を示すものとして毎年夏に発表される地価の路線価というものがある。バブルの頃には新宿の繁華街が一位になったこともあるが、その新宿に地盤沈下の兆候が見られるのに対し、銀座は依然健在である。近年は欧米の有名ブランドショップが多数店舗を構えるようにもなり、通りの景観も欧米風の垢抜けたものになってきつつある。
これは銀座通りの一角に店舗を構えるティファニーのビルを描いたもの。落ち着いた色合の建物が街の雰囲気を引き立てている。通り沿いには同じような建物が並び、さながら欧米の街を歩いているような気分になる。