神楽坂の路地裏(34×25cm ワトソン 2004年8月)

神楽坂の両側にはいくつもの小さな路地が口を開いている。毘沙門天の前にある案内板を参考にそれらを丁寧に歩いてみた。西側の路地は理科大の裏手に向ってゆるやかに下っていき、沿道には尾崎紅葉はじめ文人ゆかりの場所が散見される。いわゆる神楽坂らしさを感じさせるのは東側で、狭小な地域に狭隘な路地が網の目のように走っている。それらを歩いていると、都心近くにいることを忘れるほどだ。

路地の多くは幅も狭く、歩いている脇を車が通り過ぎる心配もない。そんな路地に面して、料理屋やら縄のれんの木造の建物が点在している。都心に木造家屋がいつまでも残ることはできなかろうから、これらもやがては消えてしまうのだろう。

何とかいう名前のついた路地を歩いているうち、行き止まりの袋小路に入り込んだ。まるで小さな別世界に紛れ込んだようだ。石畳に石塀、そして黒壁の取り合わせが新鮮に映る。こんな風景には和服の女性が似合うのだろうが、今回は現代風の姿の女性で妥協した。






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