日 本 の 美 術 |
HOME|ブログ本館|日本文化|美術批評|東京を描く|水彩画 | 動物写真 | プロフィール|掲示板 |
宜秋:蕪村の十宜図 |
蕪村の十宜図から宜秋図。もとになった李漁の詩「伊園十宜」のうち「宜秋」は次のとおりである。 門外時時列錦屏 門外時時錦屏列なる 千林非復舊時青 千林復た舊時の青さにあらず 一從澆罷重陽酒 一に從って澆(そそ)ぎ罷む重陽の酒 醉殺秋山便不醒 秋山に醉殺して便ち醒めず 門外には折から赤く色づいた垣根が連なり、周囲の林の色も青くはなくなった、まっすぐ流れて来るのは重陽の酒、秋の山中すっかり酔っぱらって眠りこけてしまった 紅葉に囲まれながら、重陽の節句の酒を飲んで、すっかり酔っ払ってしまった、という雰囲気を歌った詩である。 垣根に囲まれた山荘と、門外には赤く色づいた木を配す。背後にはある山は、重陽の節句に登る山だろう。蕪村は、この漢詩のイメージをよく捉えているといえよう。 |
HOME|十便十宜図|次へ |
作者:壺齋散人(引地博信) All Rights Reserved (C) 2013-2016 このサイトは、作者のブログ「壺齋閑話」の一部を編集したものである |