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  法華経寺山門(24×32cm ヴェランアルシュ 2003年11月)

下総中山は法華経寺の門前町である。JR駅から北に向って狭い参道が続き、京成線の線路を渡ると、すぐ目の前に黒門と通称される総門が立っている。その先道は更に狭くなり、やがて赤門といわれる山門が現れる。山門をくぐると、道の左右には別院が並び、目の前には赤さびた五重塔が見える。地域全体が寺の町といった風情である。

法華経寺には画塾の帰りなどによく立寄るが、この日は秋の気配がさわやかなのにそそのかされ、自転車を引いて家を出るや、葛飾の野を横切って、山門からではなく裏手の方から境内に入った。だからこの絵はいったん門外へ出て描いたものなのである。境内に総門、山門と二重に門を構えるのは、池上の本門寺や松戸の本土寺も同様である。私は寺院建築には明るくないが、日蓮宗に共通の様式なのだろうか。

この寺はまた、過酷な荒行でも知られる。ただ坊主のみにとどまらず、日本中の修験者にとっての道場でもあった。日蓮若かりし頃の修行の精神を今に伝えているのであろうか。