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  鷹匠橋(F4号 ウォーターフォード 2003年8月)
 
船橋市街を流れる海老川には合計十三の橋が架かっている。一番上流にあるものを鷹匠橋という。木造の小橋である。河口からは三キロばかり、船橋駅からは歩いて二十五六分の所にある。海老川もこの辺まで遡ると、周囲には田園が広がり、水の色も余程澄んでくる。かつて川の汚濁がひどかった頃にも、この辺はまだきれいな水だったに違いない。

橋柱には鷹を形どった飾りが付されている。海老川に架かる他の橋には、魚や海をモチーフにした飾りが付けられているのに対して、この橋のみに海と関係のない鷹が飾られているのは、この地が将軍の鷹狩場であったことと結びついているようだ。家康自ら船橋でしばしば鷹狩をした記録がある。なるほど橋の周辺に広がる眺めは、低地と台地が交々相接し、鷹狩をするには都合のよい地形であったろうことを思わせる。

この絵は、河原に下りて橋を見上げたもの。ご覧のように大そうな眺めではない。それでも、歴史の流れに思いを馳せながらスケッチすれば、どんな風景でも人に訴えるものがある。