佐倉高等学校(34×25cm 2005年11月)

佐倉高校の前身たる旧制佐倉中学校の開学は明治30年代、千葉県内では3番目に古い高等学校である。

佐倉には、徳川時代から藩校の伝統があって、幕末には藩校成徳館を中心に蘭学が盛んになった。一時は多くの人材を集め、西の長崎東の佐倉と併称されることもあったという。こんな訳から、旧藩校の財産を引き継ぐ形で旧制中学校に移行したのである。高校の当事者は今でも藩校との連続性を強く意識しており、平成の初年には開学200年記念を祝った程だ。

絵にある建物は旧制中学校舎として明治43年(1910)に建てられた。木造二階建ての洋館で、決して豪華とか優美とかはいえないが、質実な中に明治という時代の雰囲気を伝えている。私がこの学校に入学したのは昭和39年(1964)のことであったから、建築後半世紀を経て建物は既に古びていたことだろうが、まだ現役で生徒たちが出入りしていたと思う。今では痛みが相当進んで使用に耐えず、記念館として保存されている。




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