東京年中行事

鳥越神社とんど焼き


左義長は正月に行われる火祭りの行事です
全国各地で行われ名称にもバリエーションがありますが おおむね共通することは
その年の正月の飾り物や旧年の札などを持ち寄って焼くこと
子どもを積極的に参加させ 中には祭の主役にしているものもあることです

何故左義長と呼ばれるようになったかは諸説ありますが
有力なのは 平安時代の宮中行事に由来を求める説です
正月 清涼殿の庭に青竹を束ね 毬杖3本を結んで焼く行事が行われましたが
これが三毬杖(さぎちょう)と呼ばれたのが各地に伝わったとするものです

そもそもの目的は正月にお迎えした祖霊を送ることにあったようです
いわば送り火の行事ですが 一方で厄払いの意義も持たされていました
これが民間に伝わると 厄払いとともに子どもの成長を願う
通過儀礼としての色彩が強まってきたものと思われます

徳川時代 江戸では防火の見地から禁止されたこともあり
東京地方では長らくすたれたままになっていましたが
浅草の鳥越神社では とんど焼きと称して 今日でも行われています




鳥越神社の境内地はさほど広くはありませんが
その中央に注連縄をたくさん積み重ねた藁の山が築かれます
藁山の周囲には笹が立てられ それらを結んで幣帛が張られます


お払いの神事のあと 藁山に火がつけられると
火はあっという間に勢いよく燃え上がります


燃え盛る火の回りを 子どもたちが竹の棒を持って一周し
とんど とんどと 叫びながら棒を地面に打ち付けます
このあたりに 子どもの行事としての色彩を強く感じます


火はすさまじい勢いで燃え上がるので
見物人も子どもたちも熱さに辟易します


この神火で焼いたもちを食べると丈夫になるといわれ
子どもたちは 竹竿の先端にもちを吊るして焼きます

関連サイト:鳥越まつり






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