旧安田庭園(26×36cm ワトソン 2006年1月)
旧安田庭園は規模は小さいながらよくできた庭園である。中央にある心字池は、かつては汐入の池として、
隅田川の水を直接導き入れていた。よく探してみたら、川側の一角に取水口の跡が残っている。隅田川とは一本の管路によって結ばれていたらしいから、川の満ち干にしたがって、水が入ったり出たりしたに違いない。川の水位差は数十センチもあるだろうから、池の水面もそれにしたがって大きく上下しただろうと思われる。
現在この池は隅田川とはつながっていない。そのかわりに、人工的に池に水を足したり、かき出したりして、かつての水位差を再現しているという。池の水面は川よりおよそ高いと思われるから、昔の姿を復活させるのはむつかしいのかもしれない。
子どもたちは、そんな池の来歴など無頓着に遊んでいる。ここは開放型庭園なので、誰しも気軽に立寄れるのである。冬の一日、そんなのどかな庭園の様子を水彩画に描いてみた。
[東京を描くHP]