新装東京駅1(28×38cm、ファブリアーノ300g、2012年11月)

東京駅が、5年間に及ぶ復元工事の結果、開業時の姿で蘇り、今年(2012年)10月1日にオープンしたというので、しばらくたってから出かけてみた。この絵はその時のスケッチをもとにした水彩画だ。

東京駅は大正5年に開業した時には、三階建の建物だった。それが昭和20年5月の空襲で三階部分が吹き飛ばされ、長い間二階建ての姿で、戦後の日本の繁栄を見つめ続けてきた。

そんな東京駅にも、一時は全面改築の計画が持ち上がったが、建築愛好家など識者たちの粘り強い運動が実って、全面改築どころか、開業時の姿に復元させようとすることとなった。その陰には様々な逸話があったと、筆者なども聞いている。

東京駅を設計したのは、辰野金吾。彼はロンドンのリーゼントストリートなどを参考にして、建築と街並みの一体化を構想した。東京駅の横に長い姿が、一つの連続した街並みを連想させるのは、辰野の設計思想に根差している。

筆者は、建築物をいい角度からスケッチしようとして、あちこちと歩き回ったが、有難いことに、以前建築物の前面を覆い隠していた構築物の多くが撤去され、建物のファサードが一望できるように配慮されていた。また、玄関前の空間には、ちょっとしたスポットが設けられていて、見物人はそこから建物の正面を見られるようになっている。なかなか心憎い配慮だと感じた次第であった。





                       
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