田安門(26×36cm ヴェランアルシュ 2005年1月)

皇居内堀の外周部には今でも多くの橋と門が残されており、半蔵門を除いては、一般人の立ち入りも許されている。その中でも清水門とこの田安門は、作られた時代の古さや構造の美しさから、文化的な価値の高いものである。

江戸城門の様式は枡形門と称されている。正門を潜った先に石垣で囲まれた枡形の広場があり、正門とは直角の方角に二の門があるという構造である。正門を櫓門といい、二の門を高麗門という。いったん正門を入った者は、この広場で吟味を受け、高麗門をくぐって城中に入ったわけである。明らかに戦を念頭に置いた構造で、戦国時代末期に作られた各地の城でも同じような構造の門を構えた。

絵は枡形の広場の一角から高麗門を描いたもの。質朴な門の作りと石垣の取り合わせが美しい。スケッチをしているとひっきりなしに人が通り過ぎてゆく。門をくぐった先にはかつて徳川三卿の一田安家の屋敷があったが、今は日本武道館の無骨な建物が立っている。




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