迎賓館前のユリノキ並木
(25×34cm ヴェランアルシュ 2004年11月)

東京の街並は雑然として調和に乏しく中々絵にはなりにくいのであるが、それでも通り沿いに一本の木でも植わっていると風景に色を添えて、絵らしきものの雰囲気が醸し出されてくる。東京にももし美しさというものがあるとすれば、それは街路沿いに立ち並んだ樹木が季節ごとに見せる変化によるところ大というべきだろう。

東京都が作成した街路樹マップなるものを見ると、都内の道路には規模の大小を問わず、様々な樹種が濃密に植えられ、中には道路とそれが通る街のシンボルとしての機能を果たしているものもある。絵画館前の公孫樹、表参道の欅、市ヶ谷辺の外堀通りの桜、都心部の豆の木やプラタナスなど、誰でもすぐに思い浮かぶことだろう。

迎賓館の周辺にはユリノキの並木が植えられていて、秋には美しく色づくことで知られている。ユリノキは木蓮の仲間であるが、木蓮科の外の木が汚らしい色を呈するのに対し、こればかりは綺麗な黄色に染まるのである。絵はそんな街路樹の醸し出す雰囲気を表現しようとしたものだ。





                       
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