神田駅ガード下(26×36cm ヴェランアルシュ 2004年8月)
新橋から
御茶ノ水にかけてのJR線の高架軌道は赤レンガのがっしりとした構築物である。中心市街地のどまんなかを貫く形で横たわっているため、かつては景観を乱すとか、視界を塞ぐとか、とかく悪口をいわれたものだ。だが21世紀の東京の風景の中であらためて眺めてみると、何となく時代がかった面白みを感じさせるのである。
この高架軌道は神田駅で中央通りをまたぐ形で交差する。中央通りも、新橋、銀座、
日本橋と繁華な地帯を通り過ぎてこのあたりまで来ると、やや落ち着いたオフィス街の雰囲気に変る。だがしばらく先に進むとまた
秋葉原の賑やかな商業地帯が現れるといった具合で、神田駅界隈は、南北の繁華街に挟まれたの地味な色合いの町になっている。
この絵は、神田駅のガード下近くの軌道下を描いたもの。新橋や有楽町あたりの軌道下の風景とはまた一味違った眺めである。中央通りと交差する道がやはり駅の下を通っているので、このあたりのガード下の構造は多少複雑なものとなっている。