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  東京駅(26×36cm ヴェランアルシュ 2004年5月)

拙い絵をホームページに載せるにあたり、巻頭を飾る絵には何がふさわしいか、多少悩むところもあった。広重のひそみに倣い、日本橋をもってこようかとも思ったが、高速道路の無粋な尻に頭を押さえつけられた格好ではいかにも意気が上らない。そこで東京駅に登場願うこととした。なんといっても日本の交通の中心であるし、威風堂々とした姿は現代の東京の景観を代表する一方の雄とでもいうべき存在だ。

東京駅の改造計画が持ち上がる中で、この駅舎も危うく解体の運命に陥りかかったことがあった。だが建築家をはじめとした根強い保存運動が功を奏して何とか命を長らえることとなったばかりか、空襲で頭を吹き飛ばされる以前の、建築当初の三階建ての姿で、新しいビルの中に保存されることとなった。近所の工業倶楽部や丸ビルと同じ発想の保存法である。奈良駅のように博物館入りするよりはましだといえるだろう。

この絵は北口の一番端の部分を描いたもの。本来なら正面から描くところだが、地下鉄の出入り口が立ちふさがって姿を見えなくしている。