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       虎ノ門・東京タワーの見える路地
        (25×34cm ヴェランアルシュ 2004年10月)

愛宕通りと桜田通りに挟まれた路地に東京タワーを正面に望める所がある。虎ノ門の駅を下りてその路地を南に向って歩いていくと、絶えず目前にタワーの特徴あるシルエットが浮かび上がってくるのである。私は仕事上この通りに縁があって、幾度となく往復したのだが、その度に行く手にタワーを望み、いつか絵に描いてみたいと思ったのだった。

そんなわけで、秋の一日画材を詰めたリュックサックを背負ってスケッチにやってきた。休日のこととて車も道行く人の姿も多くなく、のんびりスケッチするにはもってこいの日であった。もっともタワーのある方向は南に当たるので逆光が強く、絵にするには一工夫が必要だ。

正面に見える一角は環状2号線の整備のための再開発予定地に当たっていて、将来はそこに高層ビルが建つことになっている。新しい道路はこのビルの下から地下に潜り、JRの軌道をこえて汐留の高層ビル街区を抜け、更には隅田川に新たに架けられる橋を渡って臨海副都心に達するはずだ。その日にはこの路地からタワーを見ることはなくなるだろう。