絵画館(26×36cm ヴェランアルシュ 2004年5月)

偉大な明治国家を記念するため明治神宮が創建されたのは大正11年、それよりやや遅れて神宮外苑が民間翼賛組織の手によって造営された。神宮本社には明治天皇が神として祀られ、外苑絵画館には人間としての明治天皇の事蹟が描かれている。

一度だけ中に入って壁を埋めている絵を見て歩いたことがある。いづれも写実的に描かれている絵の一つ一つは集合体となって、明治天皇とその時代を一大パノラマとして映し出していた。幕末の開国から始まり世界の強国へと突き進んでゆくこの時代の日本という国を語る際、明治天皇は時代の精神を体現した半神として、語る者を拘束することだろう。

この日、わたくしは所用で日本青年館に赴くため信濃町駅で下りて外苑を通りがかったのだが、その折に初夏の強い日差しに包まれた絵画館の建物に強い印象を受けたのであった。このように横に平べったい建物はそれのみではなかなか絵にはならないのだが、前景に人を入れることで建物が格好の背景となり、絵に雰囲気を与えることとなった。




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