水彩で描く東京風景
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都議会前の欅並木:水彩画・東京風景



都議会前の欅並木(35×28cm ヴェランアルシュ 2004年11月)


東京で欅の並木といえば、かつては甲州街道沿いや表参道が代表的な景観だったが、最近では都内のあちこちで見られるようになった。欅は高木でかつ枝ぶりも豊かなので、歩道が相当に広くないと育てられない。東京の街路整備が進み、歩道を広く取った道が増えてきたのに伴い、欅の並木も方々に出現したというわけである。

欅は一年を通して見るものの目を楽しませてくれる。夏は快適な緑陰を作り、冬には葉を落として日の光を路上に導く。またこの木ほど個性を感じさせるものはない。葉の色づきに限っても、初夏の若葉の色、秋の紅葉の色、一本一本がそれぞれ異なった色合いを呈し、また色づく時期も木によってまちまちである。さっと色づきさっと葉を落とすものがある一方、十二月の半ば頃まで葉を着けたままの木もある。

絵は都議会横手の道にある欅の並木を描いたもの。都庁周辺の欅は比較的遅くまで葉を着けておるものが多く、その色も渋みを感じさせる。十一月も末近くというのに、枝の先には渋く色づいた葉がざわめいていた。




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