道玄坂小路(34×25cm ヴェランアルシュ 2005年2月)

わたしくのように千葉方面に住んでいるものにとっては、渋谷はちょっと遠すぎるという印象がある。それでも、謡曲をやるようになったのがきっかけで、松涛にある観世能楽堂にしばしば足を向けるようになって、折につれてこの町を歩くうちに、坂の多い起伏に富んだ地形と、街路を覆う欅の表情に、季節の移り変わりを感ずるに至ったものである。

渋谷はやはり駅の西側が面白い。若者が多く集まるセンター街を中心軸にして、代々木公園に向う上り坂の道、落ち着いた雰囲気の文化村通り、そしてケヤキ並木が美しい道玄坂と、それぞれ表情の異なった通りが同居する。また、スペイン坂やオルガン坂など絵になる街角に事欠かない。

この絵は文化村通りから道玄坂に抜ける路地の光景を描いたもの。路地は通称道玄坂小路といって、小さな飲食店などが並んでいる。絵にあるシックなレンガ造りの建物は麗郷という台湾料理店である。大きなテーブルをいくつかおいて、そこに客を相席させるのだが、隣の客が気にならないのは、料理の味と店の雰囲気のためかもしれない。




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