宮小路の坂(25×34cm 2005年6月)

摩賀多神社社前の通りを宮小路という。名のとおり狭い道だが、徳川時代には佐倉城に通じる一本道であった。新町方面から歩いて来てこの道を北に向かうと、丘のはずれ、現在歴博の立っているあたりに天守閣があり、その手前に大手門があった。道の左右にはわずかな空間を隔てて谷が控え、そのわずかな空間には家臣たちの屋敷が並び立っていた。

宮小路から分岐した道は全て坂道である。わたくしが少年時代に住んでいた家も、そんな坂道のとっかかりにあって、竹藪に囲われた裏庭の背後は崖になっていた。

絵にある坂は宮小路から分岐した道のひとつである。坂の途中には少年時代仲良くしていた友人の家があったが、今は他人の所有になっている。この坂をずっと下っていくと重願寺と言う門徒宗の寺があり、さらにその先には田町の古びた家並みが続いていた。佐倉は狭いながらも地形の変化にとんだ町なのである。




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