国立歴史博物館(24×32cm ヴェランアルシュ 2002年12月)

国立歴史民俗博物館、通称歴博が立ったのは昭和50年台末のこと、それ以前、わたくしが子どもだった頃は国立結核療養所があった。その先には中学校があって、毎年の冬には早朝マラソンと称して、わたくしたち生徒らは歴博の立つ岡から印旛沼の方向へと長い距離を走らされたものだった。スタートの直後は元気だった者も、終盤になってこの岡を登る坂に差し掛かる頃にはへたばりきって脱落する者も多かった。

歴博ができたと聞いて早速見物にでかけたことを覚えている。中世の街並を再現したミニチュアセットと並んで目を引いたのは、古代におけるわたくしたちの先祖の食生活を紹介したものだった。当時の日本人の主食はどんぐりをすりつぶして粉にしたものを、平べったく焼いたお好み焼のようなものだったというのである。お好み焼なら今日の日本人も大好物だ。その訳というか、歴史的な背景がわかったような気がした。

私の家は歴博の近所にあったので、毎日通勤途上この絵にある光景を眺めることとなった。春には桜が咲き夏には蛙がなく、のどかな所だった。


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