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能「百万」を見る




NHKの能楽番組(古典芸能への招待)が、昨年人間国宝に指定された宝生流シテ方大坪喜美雄をフィーチャーして、能「百万」を放映した。この曲は、観阿弥が曲舞を始めて能にとりいれたものとして知られている。それを息子の世阿弥が改作して、今日のような形になった。とはいえ、観阿弥の能の特徴がよく保存されている。現在能の形式をとっていることや、芸尽くしのにぎやかさといった要素が指摘できるのである。そういう点では、わかりやすく、また楽しい曲である。

大坪喜美雄は、いまや宝生流の最長老ということだ。芸風は、宝生流特有のさびをきかせた謡い方ではなく、どちらかというと音楽的な響きをもっている。そういう点では、日頃観世流を聞きなれた小生の耳にも違和感がない。この日は、脇方も宝生流(宝生欣哉」だったので、声調が調和しあって非常に心地よく聞こえた。

この日はまた、やはり人間国宝の太鼓方三島元太郎による一調と和泉流狂言「秀句傘」が抱き合わせで放送されていた。「秀句傘」は始めて見る狂言である



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