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百年邱壟に帰す(陶淵明:雜詩其四 ) |
雜詩其四:百年邱壟に帰す 丈夫志四海 丈夫は四海を志すも 我願不知老 我は願ふ 老を知らず 親戚共一處 親戚共に處を一にし 子孫還相保 子孫還た相ひ保ち 觴弦肆朝日 觴と弦とを朝日に肆(なら)べ 樽中酒不燥 樽中 酒燥かず 緩帶盡歡娯 帶を緩めて歡娯を盡くし 起晩眠常早 起くるは晩く眠るは常に早からんことを 孰若當世士 孰若(いづれ)ぞや 當世の士の 冰炭滿懷抱 冰炭 懷抱に滿ち 百年歸邱壟 百年邱壟に歸し 用此空名道 此の空名を用って道びかるると 丈夫は四海を志すというが、わたしが願うのはそんなことではない、老いを知らず、親戚とともに暮らし、子孫が助け合い、觴と弦とを朝から並べ、樽の中には酒が絶えず、帯を緩めて歓楽し、朝は遅く起き、夜は早く寝る、そういうことなのだ 当世の人士には、利と名誉と二つながら求め、墓の中に入るまで空命を追うものもいるが、それと我が生き方と、どっちが勝っているだろうか 「百年邱壟に歸す」とは人間の命のはかないことの意である。陶淵明はよく、人命を百年に喩えた。その短い間を名利に振り回されて生きるのではなく、自分の思いのままに享楽しようではないか、そうこの詩は歌っているのである。 |
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作者:壺齋散人(引地博信) All Rights Reserved (C) 2007 |