緋色の愛 三十一 |
エイコ うそをついたことがあるかって 君はぼくに尋ねるけれど 誰だってうそをつくことはあるよ ぼくだって例外じゃない うそは悪いことばかりと限らないよ かえって必要なときもある うそにも必要なうそがあるんだ たとえば君と旅行に行くとき ぼくは仕事で出張すると 家にはうそを言って出てくる それが配慮というものさ できればうそなどいわなくても すんで欲しいとは思うけど うそにも必要なうそがあるんだ エイコ 君も同じだろう? やはりうそを言わなくては そうしなければならないときが ぼくと同じようにあるだろう? それは人には知られたくない秘密を 持ってしまったものの宿命だよ うそにも必要なうそがあるんだ でもぼくと君との間には 隠さなければならない秘密は うそを言わなければならない理由は 幸いなことにないよね ぼくはこれからも君との間で うそのない関係が続いて欲しい うそにも必要なうそがあるけれど |
前の詩へ|HOME|目次|次の詩へ 作者:愛の詩人とその恋人
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