水彩で描く東京風景
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ニコライ堂:水彩画・東京風景



ニコライ堂(25×34cm ヴェランアルシュ 2005年1月)


駿河台の台地にニコライ堂が建ったのは明治24年のこと、洋館そのものが珍しかった当時にあって、天に聳えるが如きドームをいただくこの教会建築は多くの日本人の度肝を抜いたに違いない。日本の建築史に名を残したコンドルの設計になるもので、その形の美しさから、画家たちも好んで描いてきた。実像以上に風格を備えた建物だといえる。

教会の正式名称は日本ハリストス正教会復活大聖堂という。通称のニコライは日本での布教に生涯をささげたロシア人宣教師の名である。日本のキリスト教人口にロシア正教は少数派だと思うが、この聖堂のあるおかげで、一般の日本人もロシア正教を身近に感じているのである。

教会の周辺には高い建物が立ち並ぶようになって、なかなか絵になるアングルが得られなくなった。また、建物自体も北面しているため、光の処理が難しいという弱点を抱えている。そんな制約をこえて、最も絵になる角度を求め歩くうち、この絵の構図がぴったりと気にいったしだい。樹木が葉を落とした冬、湯島聖堂の塀越しに眺めた景色なのである。




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