水彩で描く東京風景
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紀尾井町のオープンカフェ:水彩画・東京風景



紀尾井町のオープンカフェ(28×38cm アルシュ 2004年12月)


大きなホテルが対峙して立つ紀尾井町一帯は、その名から連想されるように、徳川時代には紀州、尾張、井伊三藩の屋敷地があったところだ。今も緑がよく残され、都心の中のオアシスの感を呈している。その一角にある清水谷公園は大久保利通が暗殺されたところとして知られているが、麹町の高台から赤坂見附に向って下る傾斜地に沿って、深い緑に包まれた陰影ある空間を作り出している。

この公園を起点にして周囲を歩き回ると、絵になる構図があちこちで得られる。町全体が落ち着きのある雰囲気に包まれ、上品な調和を感じさせるのである。東京の中でも珍しい空間といえよう。坂あり谷あり、また濠やそれにかかる橋があったりして、地形も変化に富んでいる。

絵は、清水谷公園とは紀尾井町通りを挟んだ反対側にあるオーバカナルというオープンカフェを描いたもの。通りに面したテラスの椅子に腰掛け、コーヒーをすすっている人々の姿に絵心をそそられたのであった。こんな情景をそれだけ取り出して絵にしてみると、東京の街ではないかのようだ。




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