北新宿一丁目
(25×34cm ヴェランアルシュ 2004年10月)

税務署通りの南北一帯は低層の家並が広がる住宅地帯である。この辺は古くは柏木と呼ばれ、大正の頃までは長閑な田園地帯であったらしい。震災後、都心から移住してきた人々や地方からの流入者が住むようになり、都心に近接した住宅地として発展するようになったという。

街を歩くと狭い道が複雑に交差し、その両側に小さな家が連なっている。そのたたずまいを見ると、下町や墨東のそれとは微妙に雰囲気が違うのに気づかされる。下町が江戸の庶民の遺風を伝えているらしく、家の構えや路地の眺めに古い時代の名残のようなものを感じることがあるのに対し、東京の西に位置するこの辺の町の雰囲気は、どこか乾いたものを感じさせるのだ。勤め人が中心の新しい町だからであろうか。

この絵は、税務署通りの北側に入った路地の一角で見かけた光景である。蔦のからまる家の風情が面白くて絵にしてみた。このあたりには壁に蔦を這わせた家をあちこちに見かける。一つの流行があったのだろうか。下町ではあまり見かけない風景である。




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