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牧馬図:長谷川等伯




「牧馬図」は、武人が原野で馬を調教するありさまを絵がいたもの。屏風絵の一般的な慣習に従って、右隻が春、左隻が秋の光景を描いている。上の絵は右隻のもの。春の原野で馬が生き生きとした動きを見せている。

全体的に平板な構成とか、土坡、水流、霞の描き方に大和絵の影響が感じられる一方、樹木の描き方には漢画の影響を指摘できるなど、和漢折衷的なところがある。若年の頃の等伯の実験がしのばれる。



これは左隻。左端の樹木は、右隻の右端の樹木と呼応しあっている。その二つの樹木に囲まれた空間に、馬がのびのびと動いているわけだ。こちらのほうは、馬に施された彩色がことのほか鮮やかである。(紙本着色 六曲一双 各156.6×342.5㎝ 東京国立博物館 重文)





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