中央大橋(23×30cm ヴェランアルシュ 2002年1月)

永代橋の袂から隅田川の河口方面を望むと、佃島の先端に高層ビル群が何本も立ち並んでいるのが見える。通称リバーシティという。佃島の一部を再開発して、そこに高層マンション街区を作ったものだ。十年程前のことだったか、この種の開発としては、日本で始めての試みだった。

数年前何かの調査の途次この地区に立ち寄ったことがあったが、殺伐として人の温もりが伝わって来ないような印象を受けたことを覚えている。隣接する旧市街と見比べて、余りにもつながりのないところががショッキングだった。今では同じような高層ビルが周辺にも多くたつようになり、隅田川河口からから品川にかけての沿岸域は一大高層ビル群に変貌しつつある。さながら東京版マンハッタンともいうべきものの出現だ。

絵の右手に見えるモダンさを気取った感じの橋は中央大橋といって、リバーシティ計画の一環として新たに架けられたものである。佃島には既に佃大橋がかけられていたので、この橋はおまけとして、新しい街のシンボルとしての意味合いを持たされたのだろう。

                      




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