TOKYO
TOWNSCAPES

  


神楽坂ー不思議な空間



神楽坂ときいて年配の人がまず思い浮かべるのは花街としてのイメージではないでしょうか。名称からして何となく華やいだ雰囲気のあるこの街は、昭和の半ば頃までは東京でも有数の花街として栄えました。いまでも見番が存在しています。

明治の初期には、尾崎紅葉ら多くの文士がこのあたりに住み、文化的な香りのする土地柄だったそうです。徳川時代には、蜀山人が住んでいました。

神楽坂は、外堀に架かる牛込御門からまっすぐに延びた坂で、この坂を背骨にたとえると、多くの路地が肋骨の一本一本を思わせるような形で連なっており、それらの殆どは東西に控える谷間に向かって下り坂になっています。神楽坂は、文字通り坂の街といえます。

この街を歩いていると、時間がゆっくりと流れているような感じを覚えます。東京の他の街に見られるような喧騒や、猥雑さ、あくせくした雰囲気を、この街は感じさせないのです。一歩路地に踏み入ると、黒い板塀や洒落た木戸が待ち構え、都心の一角にあって徳川時代にタイムスリップしたような錯覚にとらわれます。

先の大戦では、空襲によって跡形もなく焼き払われたそうですが、復興にあたっては、大規模な再開発を取り入れず、昔通りの街並を忠実に再現しました。そのおかげもあって、いまだに何となく江戸の雰囲気を感じさせる粋な街として、多くのひとびとをひきつけているのです。







神楽坂通り神楽坂の路地神楽坂の坂道赤城神社


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